サラリーマンは12月に会社側で年末調整を行います。
確定申告は基本的に必要ありません。
ですが、税金を払い過ぎていたり、逆に会社以外に収入があったりなどした場合には、確定申告が必要になってきます。
しかし、確定申告は申告制の為、会社員で行う人は少ないようです。
そこで今回は確定申告をしたほうがいい人、しなければならない人について紹介していきます。
確定申告とは
1月1日から12月31までの1年間で所得のあった人が所得税額を申告・納税を行ったり、払い過ぎた所得税を戻してもらう還付を受ける税務処理。
確定申告の期間は指定されていて、翌年の2月15から3月15日の一ヶ月の間に行われます。
確定申告をするメリット
確定申告のメリットは、還付金が戻ることと節税(翌年の納税額が少なくなる)になることが挙げられます。
必要書類・必要なもの
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- 領収書
- 印鑑
- 還付の為の銀行口座・郵便貯金口座
確定申告の用紙は2種類(確定申告書A、確定申告書B)あります、サラリーマンの還付申告や生命保険の一時金など一時所得の場合は、Aの申告書を利用します。
なお、Bの申告書については事業者や不動産所得のある人などが確定申告に利用します。
交通費の場合は領収書もしくは、日付、交通手段、駅名、かかった費用を記入したメモ
確定申告までのおおまかなスケジュール
確定申告までのおおまかなスケジュールは以下の通りです。
- 12月~1月 会社から源泉徴収票を受け取る
- 1月~ 書類の準備(医療費控除など)
- 2月15~3月15 確定申告の申告書を提出
医療費控除や住宅ローン控除など還付が伴う申告については1月4日からも可能になっています。
また、確定申告の提出方法は以下のいずれかになります。
- 郵送
- 税務署に持参
- e-Taxを利用(パソコン、住民基本台帳カード、ICカードリーダーが必要)
- 税金を納めるもしくは税金が戻ってくる(還付金)
確定申告をしなければならない人、した方がいい人
確定申告をしなければならない人(主に前年に本業以外に収入のあった人)と確定申告をした方がいい人(主に前年に控除対象の支出があった人)に分けて紹介します。
確定申告をしなければならない人
確定申告をしなければならない人は以下の通りです。
しなければならない人が確定申告を怠った場合は、追徴課税(通常の支払う金額+利息)という形で払うことになりますので必ず払いましょう。
投資
以下の様な投資を行っていて、20万円を超える利益がある場合は、確定申告を行う必要があります。
それぞれ利益を損失で相殺した金額が課税対象になります。
投資例:
- FX
- 株式投資
- 先物取引
- 投資信託
- 仮想通貨
尚、株式投資など『特定口座 源泉徴収あり』で契約している場合は、証券会社が手続きを行っているため確定申告の必要はありません。
仮想通貨については、他の投資とは異なり自分でその年の損益を計算しなくてはなりません。
副業
副業で20万円を超える収入がある人は確定申告の必要があります。
オークションや個人事業主は利益から損失分を引いた金額が20万円以上の場合に限ります(個人事業主の場合の青色申告、白色申告がありますが、これは別の機会に)。
-
副業例:
- アルバイト
- オークション
- 個人事業主
尚、副業が会社にバレにくくする場合には、確定申告の際に、『普通徴収』を選びましょう。
これは、住民税額から副業をしていることがバレる可能性があるためです。
普通徴収を選べば会社の給与から天引きされず、手元に住民税の支払い通知が来るためです。
年収2000万以上の人
年収2000万以上の人に確定申告が必要な理由は、会社側で年末調整を行ってもらえないためです。
従って、個人で年末調整を行うようなものです。
一時所得がある人
一時所得がある人は、確定申告をする必要があります。
一時所得とは文字通り一時的に発生した所得を指します。
例えば、以下の様なものが該当します。
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一時所得例:
- 懸賞による賞金
- 競馬や競艇、オートレースなどの払戻金
- 落し物を拾った際の報労金
- 保険(生命保険や損害保険など)が満期になった際の返戻金
また、一時所得には50万円の控除があり、手にした金額全てを確定申告するわけではありません。
以下のような計算式で導きます。
((一時所得の対象となる収入)-(使った金額(保険料の総額など))-(特別控除額 50万円)
尚、実際の申告書に記載する金額は上記式で算出した1/2の金額を記載することになります。
転職した時
年内に転職出来なかった場合、年末調整が行われていないため確定申告を行う必要があります。
確定申告をしたほうがいい人
確定申告をしたほうがいい人は、控除対象になる費用を払った場合です。
この金額を申告することにより、還付金がもらえたり翌年の税金額を減らすことが出来ます。
具体的な控除対象例を見ていきましょう。
医療費
医療費控除は、年間で医療費を10万円以上、もしくは所得の5%(所得が200万円未満の場合)以上利用した人が申請できます。
例:風邪や歯科治療で年間20万円かかった場合
控除額 は、100,000円となる。
尚、還付金は控除額の全てが戻ってくるわけではありません。
所得税率をかけた分が還付金として戻ってきます。
上記例で所得税率が10%であれば、1万円が戻ってくる計算となります。
また、全てが控除対象では無く、一部医療費は控除対象にならない場合があります。
控除対象になる例:
- 診療費
- 医師処方による医薬品代
- 治療目的で購入した風邪薬代
- 通院のための交通費(バス、電車など)
- 出産費用(医師等の施術の対価、助産師による分娩の介助など)
- 入院の部屋代、食事代
- 介護保険制度での訪問介護費
控除対象にならない例:
- 健康診断費用
- 美容整形の手術費用
- 自家用車での通院(ガソリン代、駐車場代)
- 治療とは関係ないマッサージ
- 治療とは関係ないビタミン剤の購入代金
寄付金(ふるさと納税)
地方公共団体や学校法人への寄付やふるさと納税
雑損控除
地震や火事、盗難により家財・住宅に被害が出た場合の控除
計算方法:①、②のどちらか多い方
② 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
退職した時
退職所得の受給に関する申告書を提出せずに退職金を受け取った場合。
一律で20.42%の源泉徴収され、税金を払い過ぎの為。
特定支出控除
特定支出控除は、サラリーマンが仕事の用途で使った費用を必要経費に出来る制度。
サラリーマンの節税としても有効です。
尚、特定支出控除は、あくまで会社が経費として認めてくれたものを控除として申告することが出来ます。
よって、申告する前に会社へ『特定支出に関する証明書の依頼書』を提出し記載してもらう必要があります。
控除額は以下のように決まります。
1,500万円超の場合:125万円
年収500万円のサラリーマンの場合:
給与所得控除額は154万円、特定支出控除額の適用判定の基準となる金額は1,500万円以下の為、次のような計算になります。
よって、この場合の特定支出控除額は77万円となり、77万円を超える金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことが可能となります。
経費になるもの
特定支出控除の対象になるものは業務に必要なものである必要があります。
以下その一例になります。
- 衣服日、スーツ代
- 書籍代、新聞代
- 交通費(単身赴任での帰宅費用も可)
- 引越し代(単身赴任など)
- 得意先との交際費/接待費
- パソコン購入費
- 通信費
- 英会話、資格取得費用
など
まとめ
サラリーマンは年末調整をしているので、「確定申告なんて必要無い」と思っていた方でも確定申告の重要性が分かりました。
税金は徴収する時は期限があり厳しいのに、還付金がもらえる可能性がある場合は、自分から申告しないといけないません。
次の確定申告では、申告するものが無いか確認してみてくださいね。