交通事故でむちうちに!慰謝料はとれる?

交通事故で強い衝撃を受けたために、むちうちの症状に悩まされる被害者は少なくありません。
他の人から目に見えてわかる症状ではないだけに、専門の医師でさえも判断が難しい場合が多くあります。

交通事故とむちうち

ここでは、むちうちで慰謝料がとれるかどうか、そして具体的な症状とむちうちの後遺障害認定について詳しくご説明します。

むちうちでも慰謝料はとれます

結論から申し上げると、むちうちで慰謝料を取ることはできます。
しかし、そのためには次の3つの条件を満たさなければなりません。


  1. 体の痛みの原因は事故によるものであるという因果関係を証明できること
  2. 医師による診断を受けること
  3. 後遺障害等級の認定を受けること

①の事故との因果関係については、それまでは感じていなかった痛みを事故後になってから感じるようになったと申告すれば問題ありません。

ですが、交通事故の直後というのは精神的にも興奮状態になって痛みに気づきにくく、数日後に痛みに気づくケースがほとんどです。
事故当日は何ともないと思っていても、その時は気づいていないだけで実はひどく痛めている可能性も十分に考えられます。

たとえ低速で走行中、あるいは停車中の追突事故でも医師による診断を受けておくことをおすすめします。

むちうちの慰謝料は基準と等級で変わる

むちうちの慰謝料は、認定を受けた後遺障害等級によって金額が異なります。
おおむね12級13号と、14級9号のいずれかにあてはめて等級が決まります。

後遺障害等級障害の概要自賠責保険基準裁判所基準
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの93万円250~300万円
14級9号局部に神経症状を残すもの32万円90~120万円

12級の方がより症状が重く、慰謝料の金額も大きく異なります。
特に自賠責保険基準と裁判所基準の慰謝料は、場合によっては100万円単位で金額に差が出てきます。

というのも、慰謝料の支払い基準は、上記の「自賠責保険基準」と「裁判所基準」とは別に「保険会社基準」という、任意保険会社が設定している独自の基準があります。
保険会社基準は、自賠責保険基準よりはやや高めに設定されていますが、裁判所基準と比較するともらえる慰謝料はかなり少なくなります。

示談交渉に弁護士が介入すれば裁判所基準の慰謝料を得られる可能性が高くなります。

むちうちで後遺障害認定は難しい?後遺障害認定になる条件

むちうちは、専門の医師や裁判所でも判断が難しい側面があり、保険会社も等級認定に消極的になりがちです。

通常、むちうちの症状は3ヶ月以内で治るのが一般的で、6ヶ月以上かかるのは極めて稀とされています。
これは、被害者の性格や素質、回復意欲の欠乏など、本人の心因的要因に左右されるケースが多いためです。

12級と14級の差を決めるのは難しいところですが、レントゲン写真やMRIなどで多角的所見によりむちうちの症状を確認できる場合には、12級の認定を受けられる可能性があります。
レントゲン写真やMRIでは確認できないものの、本人に自覚症状があり神経損傷ないし機能障害があると認められたときには14級の認定を受ける傾向にあります。

ですが、実務ではどちらの等級も受けられず「非該当」とされる方が多いのが現状です。
後遺障害認定を受けるにあたって、医師から「後遺障害診断書」を作成してもらいますが、その際にご自身が感じている痛みや症状をできるだけ正確に伝えることが重要です。

これってむちうち?見逃されがちなむちうちの症状まとめ

人の頭は全体重の10%程度の重みがあると言われています。
追突などで体に強い衝撃を受けると体はシートベルトで固定されていますが、首から上は衝撃を受けてむちのように波打つように動き、過度な負担がかかり、むちうちの症状が現れるのです。

このむちうちは主に「けいついねん」と「けいしょう」の2種類の症状が多く見られます。
交通事故によるむちうちのおよそ7~8割くらいはこの2種類のいずれかに該当します。

頸椎捻挫とは、首の骨(頸椎)周辺のじん帯、筋肉の損傷をいいます。
代表的な症状として首が痛い、首を動かせない、首を動かすと痛い、ひどい頭痛などがあります。

頸椎周りの筋肉を損傷すると頸部挫傷の診断を受けます。
他にも、むちうちには次のような症状が出ることがあります。


  • 吐き気
  • だるさ
  • しびれ
  • 肩こり
  • 耳鳴り
  • めまい・目の疲労
  • 握力低下

耳鳴りや握力低下など、むちうちとは一見すると関係のない症状が出てくるのには人の体の仕組みが関係しています。
さまざまな神経が集中している首まわりは、じん帯や神経を損傷すると自律神経のバランスを崩してしまうこともあるのです。

むちうちで首を痛め、自律神経のはたらきに支障をきたすと頭痛やめまいなど、交通事故とは関係なさそうなさまざまな体の不調があらわれるケースもあります。

事故発生後、このような症状に悩まされた場合は、すみやかに医師の診断を受けることが大切です。

交通事故から数か月経過してから症状が出た場合でも慰謝料は請求できる?

事故当初は症状がなかったものの、数か月経ってからむちうちの症状が出る場合もあります。
すでに示談が成立していて「被害者は賠償金以外の請求をしない」という主旨の取り決めがあったとしても、事故との因果関係が認められれば慰謝料の請求が認められます。

ただし、示談成立時に後遺障害の慰謝料もすべて含まれる賠償金を支払うという取り決めを行っていた場合は難しくなることもあります。
原則として、示談成立後は示談の内容を変更することはできないからです。

もし示談成立後にむちうちの症状が出てしまった方は、交通事故の強みを持つ弁護士に相談してみると良いでしょう。

交通事故でむちうちになったら弁護士に相談する

むちうちは、後遺障害の認定が難しく、等級認定を受けなければ慰謝料の請求が難しいとされています。
また、後遺障害の認定を受けたとしても保険会社から提示される慰謝料の金額が低額で、納得がいかないというケースも少なくありません。

さまざまな交通事故問題を解決してきた弁護士なら、後遺障害の認定手続き、保険会社と将来を見越した示談交渉を代行してもらうことができます。

軽い症状でもかまいませんので、交通事故でむちうちになった方は弁護士に相談してみましょう。